お知らせ

2018年03月14日

インフルエンザ患者が呼吸するだけで周囲の空気にウイルスが放出される?

今年度は 家族全員がインフルエンザにかかったり、職場で次々とインフルエンザで欠勤するものが出たりと、例年になくインフルエンザが猛威をふるったことは、記憶に新しいことでした。

 

今回、気になる研究結果がMilton氏らにより「Proceedings of the National Academy of Science(PNAS)」に発表されました。インフルエンザの主な感染経路は感染者のくしゃみや咳で飛び散ったウイルスを含むしぶきを吸い込むことで感染する「飛沫感染」か、ウイルスが付着したものを触ることで感染する「接触感染」のいずれかだと考えられてました。しかし、感染者が呼吸するだけでウイルスが周りに拡散し、同じ部屋にいる人に感染する「空気感染」も予想以上に起こりやすいことが新たな研究で示唆されました。

 

その報告よると、リアルタイムPCR法による遺伝子検査の結果、咳が出ていない状態で採取された呼気サンプル(23サンプル)の48%(11サンプル)でインフルエンザウイルスが検出された。また、イヌ腎臓由来細胞を用いて培養し、感染力を有するインフルエンザウイルスの量を測定したところ、これら11サンプルのうち8サンプルで感染力のあるウイルスが確認された。

 

Milton氏は、今回の研究に関するプレスリリースで「咳やくしゃみをしなくても、インフルエンザ患者が呼吸するだけで周囲の空気にウイルスが放出されることが分かった。したがって、インフルエンザに感染した人が職場に現れた場合には、周囲への感染を防ぐため職場にとどまらせず、すぐに帰宅してもらうべきだ」と強調した。「この研究結果を企業や学校、地下鉄車内の換気システムの改善などを通じたインフルエンザ予防策の向上に生かしてほしい」としている。

 

やはり、できるだけ、インフルエンザの流行期には、人混みや人の集まるところは、避けるべきと思われる。病院や職場、ひいては、自宅そのものも、その感染源となるうるというものであった。

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