お知らせ

2016年12月18日

マイコプラズマ肺炎について

当クリニックを訪れる患者さんは、最近の動向としては、一過性のA型インフルエンザの流行が一段落して、「咳がなかなか止まらない、マイコプラズマ肺炎では?」と来院される方が多くいらっしゃいます。確かに、マイコプラズマ肺炎に罹患すると、発熱と頑固な咳が続くのが特徴です。診断には、胸部X線写真や血液検査を行います。長く続く咳の場合、肺結核をはじめ、気管支喘息、咳喘息、アレルギー性気管支炎、感冒後咳嗽などと、鑑別が必要なためです。しかしながら、典型的な胸部X線写真像がないこともあり、確定診断には至らない場合が多くあります。新しいマイコプラズマの迅速検出キットが保険適応になりましたが、残念ながらインフルエンザ簡易検査キットのようには、検出精度が及びません。よって、症状の経過や重症度をみながら、マイコプラズマ肺炎が疑われる場合は、マクロライド系(クラリス、アジスロマシン)、ニューキノロン系(クラビット、オゼックス)、さらに学童期以上にはテトラサイクリン系(ミノマイシン)抗生剤を使用して、治療しています。長引く咳の方は、市販薬にたよらず、医療機関の受診をお勧めします。

一覧へ戻る